お久しぶりです。
次郎作こと布施田泰之です。
今、僕は救急科という科を回っています。
僕の研修している東京医科歯科大学はかなり救急に力をいれてるらしく、
研修が始まった後のオリエンテーションで、
「うちの救命救急センターは全国No.1なんだよ」と力説されました。
東京医科歯科大学出身の同級生も含め誰もそんなこと知らなかったので、
「どうせショボめの誰も知らないようなランキングだろうな~」と思ってググってみると、
(画像は 東京医科歯科大学医学部附属病院のサイト より)
厚生労働省の「救急救命センターの評価」でした
参照 “救命救急センターの評価結果(平成27年度)について”
意外とちゃんとしてた!!!笑
「初期研修先は救急で選べ」的なこと聞いたことあるけど、
医科歯科が人気なのって救急が有名だからなのかな? 立地だけだと思ってた・・・
確かに、初療室に常に上級医が常在してくれている中で初期対応させてくれて、
鑑別診断考えながら自分で検査オーダー出来て、必要時にはいつでも相談出来て、
本当に緊急の場合は上級医が飛び出してきてくれる環境って、実はかなり恵まれた環境なんじゃないかと思えてきました。
初療室にCTが備え付けられててすぐCT撮れるとか、救急科が病床25床くらい持っててICU,HCUの管理もしてるっていうのも、聞いた話では珍しいそうです。
(ただ、結構忙しいです笑 気を付けてください笑)
そんな救急科を回りながら、
学生時代ほぼ勉強せずに病院実習も最低限で生きてきた僕は、
今、必死で勉強しています。
参考書3冊くらい読んで、5冊くらい買って参考にしてるものがあるので、
現在のお役立ち度でランキングを付けながら参考書の紹介をしたいと思います!!!
じゃあ、さっそくいきますよ!!
第一位!!!
”Quick Reference for Resident”
初療室(救急車を受け入れる部屋)で、絶大な威力を発揮するのがこちら。
救急隊からどういった患者が搬送されるか連絡がきて、
実際に救急車が到着するまでには、5~20分ほどの時間があります。
その間に、鑑別診断を思い出しどういった疾患をを想定してどういうことを問診しどういう検査を行っていくか計画を立てるわけですが、その時にこれがメチャクチャ役に立つわけです。
例えば「胸痛」という患者が来ると聞いたら、まずは鑑別疾患をあげられなければなりません。
みなさんも今あげてみてください。
この参考書では、見逃すと命にかかわる疾患と、よくある疾患を見やすく配置してくれています。
また、胸痛に対する対応の仕方もコンパクトにまとまっています。
例、「胸痛患者はどんな軽度であっても、除外されるまで急性冠症候群として扱え」
「到着10分以内に心電図を」「心電図は何度でも繰り返しとれ」などです。
これを読んでから対応するのと、読まずによく分からないまま対応するのでは雲泥の差です。
僕みたいに何も分からない人こそ、こういった参考書が大切になると思います笑
また、初療室で使うけど全部は覚えきれないようなスコアがかなり網羅されています。
例、脳卒中 NIHSS, TIA ABCD2, 溶連菌感染 centor criteria, 虫垂炎 Alvardo score などなど
いちいち、検索したり参考書を漁ったりしなくてよく、とても使い勝手がいいです。
一番すごいのが、全部の情報がコンパクトに載せられているおかげで、
ポケットサイズで軽くて持ち運びが簡単なことです。
唯一の欠点が、単体で売ってないことです笑
↓イヤーノートの付録としてついてきます。
(手に入れるために2万5千円かかる・・・)
今度、研修医のために単体でも売ってくれるようにメディックメディアに抗議しておきますね笑
やばい、熱が入りすぎて第一位で尺とりすぎました。
次行きます、
第2位!!
”あなたも名医!もう困らない救急・当直”
全部読みましたが、研修医1年目が1冊目に読む参考書としては圧倒的にこれがオススメです!!!
読みやすさ、知識の内容のレベル、系統だった説明、がちょうどよくて、
特に僕が一番いいと思ったのが「決め手となる思考回路」という項目で、
その症状を見た時にどんな疾患を想定してどの順序でどういう風に診断していくか、という頭の働かせ方を図解で書いてくれていることですね。
救急・当直系参考書で、チョー有名な参考書はこちらですが↓、
全部読みましたが、↑の参考書に比べ読みにくく分かりにくいです笑
同じ林先生が書いてるはずなんですけどね・・・笑
それに、おれにはまだピットフォールに陥るほど知識も経験もねぇよ! ってつっこんでました笑
多分こっちは通読じゃなくて当直室に置いておく用なんでしょうね。
第3位
初療室で出来るべきエコーの使い方を軽く教えてくれる参考書ないかな~と思って見つけた参考書です。
2時間くらいで全部読めました。
レジデントノートでの連載からの書籍化のようでした。
僕が参考にして次の日友達で試させてもらったのは、
FAST、 簡略版心エコー、胆嚢、気胸、虫垂炎、の診方くらいですかね。
分かりやすいし、読みながらあーでもないこーでもないと研修医同士でやりあうといいかも知れません。
でも正直、上の先生に手取り足取り教えてもらうのが一番です笑
第4位!!!
”救急整形外傷レジデントマニュアル”
研修医向けに救急外来で整形外傷をどう診断してどこまで対応すべきか、書いてくれているレジデントマニュアルです。
救急や当直の参考書って「鑑別診断の仕方」みたいなことを扱うので、
「膝小僧を打って、明らかに膝小僧の骨折っぽい」みたいな人に対する対処法などの整形外傷に対しては無力な参考書がほとんどです笑
そんな時に、軸写含めた3方向からレントゲン撮って診断して、膝蓋骨の骨折にはシーネ固定をして後日整形外科にかからせる、みたいな方針を書いてくれているこのレジデントマニュアルはものすごく有用です。
通読ではなく、その都度参考にする系の参考書です。
第5位!!!
”研修医当直御法度”
知る人ぞ知る有名参考書です。
多くの人が研修医がまず読むべき参考書にあげています。
多分みんなちゃんと基本が分かっている人たちなんでしょうね・・・
僕は1冊目に読むなら、上記の“もう困らない救急・当直”をおすすめします。
ホントに読みたいなら、2冊目ですね!
第6位!!!
”診察エッセンシャルズ”
立ち位置としては、第1位でとりあげた”Quick Reference for Resident”の詳しいバージョンです。
ただ、初療室では読んでいる暇がないので、
復習の時やより深く知りたい時の参照先として利用してます。
まだまだ基本すらよくわかってないので使う頻度が少なく6位としてますが、
内容としてはかなりいいです。
第7位
“ステップ ビヨンド レジデント”
多くのブログで、研修医が読むべき参考書として挙げられていたので、半分くらいまで読んでみました。
が、これは研修医1年目の6月で読むレベルではない気がします笑
特にちゃんと学生中に勉強していないひとが、
いきなり「レジデント」レベル通りこして、「ビヨンド レジデント」レベルを目指してはいけませんね笑
すでに救急に自信がある研修医の方々が読む用の参考書だと思いました。
第8位
”人工呼吸の考え方”
人工呼吸器の設定を勉強しようとして購入した参考書です。
内容は分かりやすかったですが、結局「設定・名称の意味」の部分くらいしか読みませんでした笑
ちゃんと読み込んでない僕が悪い説もありますが、お役立ち度的にはこの順位ですね笑
いかがでしたか!?
完全に独断と偏見で選んでるので、参考までにしてください。
一緒に働いてると、医科歯科に来てる研修医はみなさん優秀で知識豊富だな~と感じます。
病院実習中も国試前も勉強せずに遊んでたんだから、他の人よりバカなくらい受け入れろって感じですが笑、
負けず嫌いなので必死に勉強して、密かに追い抜いてやろうと思う日々です笑
休みが少ないので勉強時間の確保が大変ですが、
適度に休みをとりつつ、勉強に励みたいと思います。
学生中に、旅に出たり飲んだくれたりしながら、いつも心の中で唱えていた言葉があります。
「勉強するのは研修医になってから」
・・・
・・・
・・・
そう、ツケがまわってきているのです・・・笑
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